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バリ取り代の計算方法

板金屋さんには、信じない方も多いと思いますが、 前のページでも述べたように、 バリ取り代を支払ってもらえる時代は、絶対に来ます。  そんな時に、バリ取り代を聞かれた板金屋さんが、 バリ取り代の計算方法が解らなくては意味がありません。

お客さんから “それぞれの板金部品のバリ取り代を含む 新価格しんかかく見積書みつもりしょ を下さい” と言われた時に、板金屋さんは、どうやって計算すれば良いのでしょうか? 

人の好い板金屋さんは、お客が言っている意味が解らず、 自ら、バリ取り だい として、スズメの涙ほどの金額しか求めないかも知れません。  板金屋さんは、1度しかないチャンスを自ら逃し、 お客は、ホッとして “俺たちは 義務ぎむ は果たした” 主張しゅちょう する事になるかも知れません。  このページでは、そんな事にならないように、バリ取り代を計算する 簡易的かんいてき な方法と、正確な方法を説明したいと思います。

  バリ取り代の簡易的かんいてき な計算方法

サンダー(ハンド・グラインダー)でバリ取りを行っている場合は、 見積をせねばならない板金部品の バリ取り時間を、実際にバリ取り作業を行う作業員に聞いて下さい。  エッジが多ければ長い時間、少なければ短い時間、 製品が大きければ長い時間、小さければ短い時間、 これには、 工具こうぐ を調整している時間など 段取だんど り時間も含みます。

なので、細かくデータ積み上げるのではなく、 “この製品のバリ取りを100個やるのには何時間掛かるの?” と、バリ取りを行う作業者に質問する方が良いと思います。  例えば “だいたい3時間ですね” という答えならば、 180分を100で割って、 1個あたり1.8分、およそ2分という事になります。

見積は、これをお金に直さねばなりません。 よくある普通の板金屋さんであれば、 ローディング(1時間当たりの 労働生産性ろうどうせいさんせい )が、5千円〜1万円です。 仮に、6千円だとすると、上の場合(1個当たり2分)だと 1時間に30個のバリ取りができるので、 1個あたり200円のバリ取り代という事になります。

元々の部品の値段が、仮に千円だったら、 バリ取り代、200円を足して、1200円の新価格となり これを見積が必要な商品 ごと に繰り返します。

  正確な計算方法

簡易的かんいてき な方法でおいて、一番大きな 影響因子えいきょういんし は、 ローディング(1時間当たりの 労働生産性ろうどうせいさんせい )を幾らに設定するのかという点です。  面倒めんどう だという方は、1時間6千円で良いと思いますが、 一度、きちんと計算しておく事をお勧めします。  ローディングの計算方法は、 こちらのページ に詳細に 記載きさい されていますので これを参考にして計算して下さい。

簡易的かんいてき な方法で説明した、 “この製品のバリ取りを100個やるのには何時間掛かるの?” と現場に聞く部分は、大企業でも、この方法を使っている事が多いので、 商品 ごと というのは 面倒めんどう かも知れませんが、これ以外の方法は無いと思います。  但し、生産管理システムなどが既に導入されていて、 正確なタクトタイム等が、そこから 算出さんしゅつ できる場合は別です。

そういった中で、 “私と、彼では全然、時間が変わってくるんですが” という話になる事があります。 そんな場合は “平均は?” と聞き返して下さい。 もしも、仕事が早い人がやる事が多ければ短かく、 遅い人がやる事が多ければ長く決めれば良いのですが、 板金屋の経営者の立場からすれば、 遅い人を 基準きじゅん にしておいた方が とく です。

なお、時給1000円のパートさんがやっている場合でも、 色々な 管理費用かんりひよう が掛かっていて、 ローディングの計算を正確に行った場合は、それも 考慮こうりょ に入っています。  一般の社員と同じ、1時間6千円くらいで計算して下さい。

  バリ取り機を 導入済どうにゅうずみ の場合

バリ取り機を使った場合は、 サンダー(ハンド・グラインダー)でバリ取りを行っている場合と 比べて、10倍以上の速度でバリ取りを行う事ができますので、 単純に、10分の1のバリ取り代となります。

しかし、この時に、 バリ取り機を 前提ぜんてい とした見積をする必要は無く、 サンダー(ハンド・グラインダー)でバリ取りを行っている場合の 見積を提出すべきであると思います。

何故ならば、お客には、 バリ取り機の 設備投資費用せつびとうしひよう負担ふたん してもらっていないからです。

お客に、 “バリ取り機があるので、もっと安いはずでは?” と言われたら、 “機械の 減価償却げんかしょうきゃく が終わっていませんから、これが 適正価格てきせいかかく です。” と言って下さい。  バリ取り機の導入効果は、あくまで板金屋さんが得るべきものであり 費用負担ひようふたん をしていない、お客が “ け前をよこせ”というのは 筋違すじちが いです。  もしも、それでもバリ取り機を使った 10分の1のバリ取り代を見積に 提示ていじ する場合は、 サービスしているという事を、 お客に十分に理解してもらった上で行なって頂きたく思います。  そうでないと、バリ取り代の 相場そうば が10分の1となってしまう恐れがあり、 最悪は、他の板金屋さんに迷惑がかかってしまう場合があるからです。

  バリ取り機を導入していない場合

バリ取り機を導入していない場合のバリ取り代は、 お客側から見れば、 「目玉が飛び出るくらいの価格アップ」 となる場合が多いと思います。  しかし、この価格は現実のものであって、 これまで板金屋さんは、 それだけの金額をお客に 上納じょうのう していた という事を十分に 把握はあく して頂きたく思います。

“高すぎて払えない。 これだと商売にならない”
とお客に泣きつかれたら 勝負所しょうぶどころ です。
“バリ取り機の導入を考えましょうか? そうすればバリ取り代は10分の1になります”
という会話になるでしょう。(笑)
お客は、
たの むからそうして欲しい”
と言うでしょう。
でも、そのままだと板金屋さんは、
バリ取り機の 設備投資せつびとうし回収かいしゅう できません。
そこで
減価償却げんかしょうきゃく のために5年間は、手作業の半分のバリ取り代を払って頂く事”
“受注が無くなれば元も子も無いので、5年間の発注計画を見せて下さい”
“そうすれば6年後からは、バリ取り代は10分の1にできます”
といった交渉をする事となります。

筆者は、普通の板金屋さんは、 お客と、このような 交渉こうしょう など出来ないという事を知っています。  ですが、 対等たいとう な取引が 商法しょうほう の基本』であるという、 板金屋さん以外の 企業間取引きぎょうかんとりひき一般常識いっぱんじょうしき では、 本来は、こういった交渉を行うのが普通です。  板金屋の経営者の皆さんには、 このような話ができないこと自体が、 「下請け いじ め」である という事を理解して頂きたく思います。

板金屋さんは、 既に、「下請け いじ め」によってかなり 疲弊ひへい していて、これからの時代は、 多かれ少なかれ「下請け いじ め」と戦わなければ、 商売を続ける事は難しくなってゆくものと思われます。

次ページからは、 多くの板金屋さんが気付いていない、 他の「下請け いじ め」の例を述べて行きたいと思います。




次ページは 下請かけこみ寺 その1 です。




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