AuDeBu 総合情報ページ


バリが無くなる日

将来、タレパンやレーザー 加工機かこうき の能力や 精度せいど が向上すると、 バリが出なくなってバリ取り機が必要無くなる日が来るのではないか? という意見を耳にする事があります。  このページでは、 近未来きんみらい のバリ取り 事情じじょう について 考察こうさつ します。


タレパンは、 塑性加工そせいかこう に属するせん だん 加工を行う機械です。  せん だん 金型かながた が付いていて、板の上から下にパンチで穴を開ける機械です。  バリ(かえり)を無くす、せん だん 加工は、昭和50年代に さか んに研究が進み、 例えば “ 精密せいみつ せん だん 法” などといった加工方法が 多数考案たすうこうあん されました。 

この技術を使えば、確かにバリの無いせん だん が行えますが、 こういった 機構きこう を、タレパンに組み込むと、 タレパンの価格は2倍、 金型かながた の価格は3倍になり、 金型かながた研磨回数けんまかいすう も2倍以上に増える事になるだけでなく タレパンの持ち あじ である速度も大幅に 低下ていか します。  ワンパンチ当たりの単価は、4倍といったところ。  なので“ 精密せいみつ せん だん 法の たぐい応用おうよう現実的げんじつてき ではありません。

例えば、バリが出る 裏面うらめん をあらかじめ けず っておくとか、 へこ ませておくとかの方法も考えられますが、機械を 安く出来たとしても、 やっぱりタレパン 工程終了こうていしゅうりょう までの速度が1/2以下になってしまいます。

タレパンの速度は、 最適さいてき クリアランスを用いた せん断加工に 依存いぞん していて、 そうである限り、必ずバリ(かえり)は出ます。

では、レーザーならバリは出ないという話になりますが、 逆に、あまりに 鋭利えいり に切れるために、エッジは、いわゆる “ピン かど ” になってしまい、 結局 R面取アールめんと りをせねばなりません。  ちなみにピン角は、バリほどでは無いにせよ、手が切れますし、 塗装とそう の乗りも悪くなり、 塗装とそう 後の 防錆効果ぼうせいこうか が低下します。

これまでは、 塗装とそう防錆効果ぼうせいこうか は、 塗装とそう 屋のテリトリーだという考えが 支配的しはいてき でしたが、 近年の R面取アールめんと りニーズを考えれば、 塗装とそう 屋のテリトリーではなく、 これが板金屋のテリトリーになった事は明らかです。

それでは、レーザー加工機の方はどうでしょうか? レーザー加工機は、 溶融ようゆう した鉄などをガスで吹き飛ばしますので、 Rを付けるような 溶断ようだん はできません。  また、100歩 ゆず って、できたとしても、そこを硬い 酸化被膜さんかひまくおお う事になるでしょう。

タレパンにしてもレーザーにしても、 時間を けた加工が許されるのであれば、 色々いろいろ と案はあるのですが、 板金屋さんは、そもそも 乱暴らんぼう とも思えるような加工を行う事で、 高い生産性を 確保かくほ して来た歴史があります。  安い製品コストを まも るためには生産スピードが命なので、 スピードを そこ なわず、バリやピン かど を無くす方法が少なくとも “こ・れ・ま・で・は” 無かったのです。

ただ、上記は、筆者の 想像力そうぞうりょく貧相ひんそう なために、 未来技術みらいぎじゅつ想像そうぞう できないだけかも知れません。  ですが、 現段階げんだんかい で、それに類する、もしくは 応用可能おうようかのう な技術が表れていないところを見ると、 仮に明日、 突如とつじょ として、 画期的かっきてき な技術が 確立かくりつ されたとしても、 新しい 加工機械かこうきかい が設計され、それが完成され 普及ふきゅう に至るまでは10年以上、 いや、普通は20年くらいの時間が必要となります。 

結局、バリ取り機によるバリ取り作業は、最低でも20年は続く作業となります。






次ページは 金属とは その1 です。




バリ取りレスキュー隊

バリ取りレスキュー隊にMailを送る