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粉塵爆発ふんじんばくはつ について

バリ取り機から発生する 粉塵ふんじん は、 集塵機しゅうじんきあつ められ 処理しょり されます。 ここで気になるのが 粉塵爆発ふんじんばくはつ問題もんだい です。 バリ取り機や 集塵機しゅうじんき 、その間にあるダクトや 装置周辺そうちしゅうへん において、 粉塵爆発ふんじんばくはつ が発生する 可能性かのうせい について述べたいと思います。

まず、 粉塵爆発ふんじんばくはつ とは、どういったものなのでしょうか?

粉塵爆発ふんじんばくはつえい : Dust explosionダスト・エクスプローション )とは、ある 一定いってい濃度のうど可燃性かねんせい粉塵ふんじん大気たいき などの 気体中きたいちゅう浮遊ふゆう した 状態じょうたい で、火花などにより 引火いんか して 爆発ばくはつ を起こす 現象げんしょう です。

非常ひじょう微細びさい粉塵ふんじん体積たいせき に対する 表面積ひょうめんせき める 割合わりあい比表面積ひひょうめんせき )が大きく。 そのため 空気中くうきちゅうまわ りに 十分じゅうぶん酸素さんそ存在そんざい すれば、 燃焼反応ねんしょうはんのう敏感びんかん状態じょうたい になり、 火気かき があれば 爆発的ばくはつてき燃焼ねんしょう します。 日本においては、アルミニウム、 亜鉛あえん を始め多くの金属の 粉末ふんまつ消防法 第2類危険物しょうぼうほう だいにしゅきけんぶつ可燃性固体かねんせいこたい )として、これに 指定してい されています。

もう少し解り易く言うと、 普通ふつう の金属(鉄やアルミや どう ) は かたまり状態じょうたい では燃えませんね。 しかし、これらが 微細びさいこな になると燃えるのです。 メラメラと燃え上がるのならば、まだ良いのですが、 一気いっき に燃えて 爆発ばくはつ してしまう事があります。

板金屋ばんきんや さんのような 金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょう において、 粉塵爆発ふんじんばくはつ可能性かのうせい がある金属は、鉄、アルミ、チタン、ニッケル、 どう といったところです。 “ 全部ぜんぶ かよ!”と思われる方も多いと思いますが、これは 粉塵ふんじん になった上に、 一定以上いっていいじょう濃度のうど になって、さらに 着火ちゃっか してしまった場合の話です。 ですが、バリ取り機で 面取めんと りを行った時には、エッジ部分は 粉塵ふんじん となり 飛散ひさん しますので、場合によっては、バリ取り 機内部きないぶ や、 粉塵ふんじんあつ める 集塵機内しゅうじんきない粉塵爆発ふんじんばくはつ可能性かのうせい否定ひてい できません。

そこで、 各種工場かくしゅこうじょう における、 粉塵爆発ふんじんばくはつ による 人身事故じんしんじこ事例じれい調しら べました。

まず、 板金屋ばんきんや さんでの 粉塵爆発事故ふんじんばくはつじこ の例は、 発見出来はっけんでき ませんでした。(よかったです!) 国内こくない の全ての 業界ぎょうかい では、 年平均ねんへいきん 6件ほどの 粉塵爆発事故ふんじんばくはつじこ が起きているものと 推定すいてい されています。 他の 業界ぎょうかい の話ではあっても、もしも、事故が起これば 大変たいへん な事になるので、 板金屋ばんきんや さんであっても、これらを参考にして 十分じゅうぶん対策たいさく を行うに した事はありません。

粉塵爆発ふんじんばくはつ事例じれい

日本国内にほんこくない粉塵爆発ふんじんばくはつ事例じれい
金属粉篩設備きんぞくふるいせつび での 粉塵爆発ふんじんばくはつ

1994年12月 、ニッケル けい 合金粉製造工場ごうきんふんせいぞうこうじょう で、 合金ごうきん 粉砕品ふんさいひん篩設備ふるいせいつび中間ちゅうかん タンクに 投入とうにゅう している際、 内部ないぶ をアルゴンで 置換ちかん しなかったため、タンク内で 静電気せいでんき による 粉塵爆発ふんじんばくはつ が起き、 従業員じゅうぎょういん重傷じゅうしょう った。

2005年10月 には、アルミニウム 粉末製造工場ふんまつせいぞうこうじょう で、 爆発事故ばくはつじこ が発生し、2 名が重傷じゅうしょう った。

微粉炭びふんたん粉塵爆発ふんじんばくはつ

1996年7月20日、 製鉄所せいてつじょ定期修理ていきしゅうり において 発電設備はつでんせつび分級機下部ぶんきゅうきかぶ シールリングのボルトを外そうとしたが外れなかったので、 送炭管そうたんかん とシールリングの 隙間すきま にクサビを入れ、金属ハンマーで たた いた際、 爆発ばくはつ が起き、 分級機内ぶんきゅうきない作業さぎょう していた2 名が 火傷やけど した

マグネシウム 合金研磨ごうきんけんま 粉塵爆発ふんじんばくはつ

2001年8月1日 、 携帯電話けいたいでんわ のマグネシウム 合金製ごうきんせい 外枠そとわく 生産工場せいさんこうじょう で、 表面切削研磨工程ひょうめんせっさくけんまこうてい集塵機しゅうじんき につながる 鋼管こうかん 内に 堆積たいせき したマグネシウム 合金粉ごうきんふん が、水と 反応はんのう して 水素すいそ を発生、 自然発火しぜんはっか し、 鋼管こうかん 内に 浮遊ふゆう する 粉塵ふんじん爆発ばくはつ させ火災となり、10名が 負傷ふしょう した。

粉末硫黄ふんまついおうふるい い分け中の 粉塵爆発ふんじんばくはつ

2006年11月24日 、 破砕後ふんさいご硫黄いおうふる い分け中、 帯電たいでん した 粉末硫黄ふんまついおう が、 篩別機せんべつき のオーバーサイズホッパー 出口でぐち シュート 付近ふきん放電爆発ほんでんばくはつ し、 布製ぬのせい シュートに 延焼えんしょう した。 さらに、 周囲しゅうい粉塵ふんじん集塵しゅうじん していた 集塵機しゅうじんきほのお い込み 延焼えんしょう し、 選別機等せんべつきなど経由けいゆ してバケットコンベヤーに達して 粉塵爆発ふんじんばくはつ が発生した。  負傷者ふしょうしゃ はなかった。

木材もくざい ボード 製造工場せいぞうこうじょう 木粉もくふん粉塵爆発ふんじんばくはつ

2004年5月27日、 木材もくざい チップを 乾燥かんそうのり 付け、 熱圧形成ねつあつけいせい し、ボードを 製造せいぞう する工場( 一般取扱所いっぱんとりあつかいじょ )で、 粉砕ふんさい した 木材もくざい チップを 乾燥かんそう させる 乾燥機内部かんそうきないぶ付着ふちゃく したチップが 炭化たんか火種ひだね となって、ベルトコンベアを通じて 延焼えんしょう し、 集塵機しゅうじんき およびサイクロンが 爆発ばくはつ し、10名が 火傷やけど った。

花火製作所はなびせいさくしょ での 金属粉きんぞくふん二次爆発にじばくはつ

2003年4月11日、 花火製作所はなびせいさくしょ配合所はいごうしょ火薬類一時置場かやくるいいちじおきば を含む 一帯いったい爆発事故ばくはつじこ が発生し、10名が 死亡しぼう 、4名が 負傷ふしょう (うち2名は 所外しょがい第3者だいさんしゃ )した。  発火原因はっかげんいん および 発火場所はっかばしょ特定困難とくていこんなん であるが、 配合作業はいごうさぎょう の際の 衝撃しょうげき摩擦まさつ または 静電気せいでんき推定すいてい されている。

メチルセルロース 製造設備せいぞうせつび粉塵爆発ふんじんばくはつ

2007 年 3月 20日 、 化学工場かがくこうじょう セルロース 誘導体製造設備ゆうどうたいせいぞうせつび爆発火災ばくはつかさい が発生し、5 時間後じかんご鎮火ちんか したが、4 階建かいた ての工場9,600 m2へいほうメートル全焼ぜんしょう 、17 名が 負傷ふしょう した。

米国べいこく では、日本よりも 粉塵爆発ふんじんばくはつ の例は、ずっと多くて、 把握はあく できた事故だけでも、1980 〜2005 年の26 年間ねんかん で281 件の 粉塵爆発ふんじんばくはつ が発生し、 死者ししゃ 119名、 負傷者ふしょうしゃ 718名を数えています。 さらに2006年、 以降いこう 2008年7月 まつ までに、82件の 粉塵爆発ふんじんばくはつ が起きています。
ほとんどは、 金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょうたぐい では無く、 農業のうぎょう とか 採掘現場さいくつげんば などの話ですが、 粉塵爆発ふんじんばくはつ の中でアルミに関する例が目につきましたので 記載きさい しておきます。

アルミホイール 製造工場せいぞうこうじょう における アルミニウムダストの 粉塵爆発ふんじんばくはつ

2003年10月29日 、インディアナ しゅう ハンチントン のHayes Lemmerz International─Huntington, Inc. においてアルミニウムダストの 粉塵爆発ふんじんばくはつ があり、1 名が 死亡しぼう 、6 名が 負傷ふしょう した。 この工場では、アルミスクラップを 再溶解さいようかい して、 自動車用じどうしゃよう アルミホイールを 製造せいぞう している。  爆発ばくはつ によって、 屋外おくがい設置せつび された 集塵機しゅうじんき全壊ぜんかい し、 屋内おくない装置そうち損傷そんしょう した。アルミスクラップの 破砕片はさいへん空気輸送くうきゆそう し、 乾燥かんそう した後、 溶解炉ようかいろ装入そうにゅう する 工程こうてい で発生するダストが 集塵機しゅうじんき 内で 爆発ばくはつ したものである。 さらに、 建屋たてやはり構造物こうぞうぶつ清掃せいそうおこた っていたため、 二次爆発にじばくはつ誘発ゆうはつ した。 最初の 爆発ばくはつ着火源ちゃっかげん は、アルミと びた鉄との 衝突しょうとつ によるテルミット 反応はんのう鉄片等てっぺんとう衝撃火花しょうげきひばな および 溶解炉ようかいろ の火花が 集塵機しゅうじんき い込まれた 可能性かのうせい が考えられているが、 特定とくてい できていない。 また、ダストが 堆積たいせき した原因として、 不十分ふじゅうぶん清掃以外せいそういがい に、 破砕片はさいへん高速空気輸送こうそくくうきゆそう による 摩耗孔まもうこう からの ろう えいが 指摘してき された。 Hayes は、 破砕工程ふんさいこうてい多量たりょう のダストが発生すること、およびその 危険性きけんせい について 調査ちょうさ をしていなかった。 また、 集塵しゅうじん システムの 設計せっけい適切てきせつ でなく、 機器購入仕様書ききこうにゅうしようしょ が NFPA651 の 規格きかく適合てきごう していなかった。  死傷者ししょうしゃ が発生した原因について、CSB は、 従業員じゅうぎょういん溶解炉付近ようかいろふきん防炎服ぼうえんふく着用ちゃくよう していなかった。  破砕工程ふんさいこうてい清掃せいそう不十分ふじゅうぶん で、 集塵機しゅうじんき吸気範囲きゅうきはんい不適切ふてきせつ であり、 集塵しゅうじん フィルターの 交換周期こうかんしゅうき が長かったことも 爆発ばくはつ を大きくした。 また、工場の 従業員じゅうぎょういん が、 破砕工程ふんさいこうてい および 集塵しゅうじん システムに関する 教育きょういく を受けていなかった等を げている。

人命じんめい に関わる 爆発ばくはつ は、 周囲しゅうい への 粉塵堆積ふんじんたいせき から発生している

粉塵爆発対策ふんじんばくはつたいさくかなめ は、 密閉化みっぺいか集塵機しゅうじんき設置せつび によって、 装置そうち換気かんき システムからの れを 最少化さいしょうか し、 れた 粉塵ふんじん定期的ていきてき清掃除去せいそうじょきょ し、 堆積たいせき させないことです。  清掃せいそう は、 責任者せきにんしゃ点検てんけん清掃手順せいそうてじゅん文書化ぶんしょか し、チェックリストによって 清掃度せいそうど を確認すべきでしょう。 また、 天井裏てんじょううら装置下等そうちしたかく れた場所への 粉塵堆積ふんじんたいせき に注意し、 適切てきせつ点検方法てんけんほうほう清掃方法せいそうほうほう を定める必要があります。 大量の 粉塵堆積ふんじんたいせき がなければ、 粉塵爆発ふんじんばくはつ被害ひがい最少化さいしょうか することができます。  はり装置そうち粉塵ふんじん堆積たいせき しにくいよう、 安息角あんそくかく を持たせないなどの 対策たいさく有効ゆうこう です。

集塵機しゅうじんき での 爆発事例ばくはつじれい も多く、 適切てきせつ集塵機しゅうじんき選択せんたく と使用が 重要じゅうよう です。  設計仕様せっけいしよう不適切ふてきせつ であったり、 仕様しよう どおりの 部品発注ぶひんはっちゅうおこた ったため起きた事故もあります。 また、 不適切ふてきせつ な使用による事故も目に付きます。 鉄の 研磨用けんまよう設置せつび した 集塵機しゅうじんき を使用してアルミニウムやマグネシウム 合金ごうきん研磨けんま を行うのは、 非常ひじょう危険きけん です。 

湿式集塵機しっしきしゅうじんき について

アルミニウム 合金ごうきん やマグネシウム 合金ごうきん研磨けんま には、 粉塵爆発ふんじんばくはつ けるために、 湿式集塵機しっしきしゅうじんき が使われる事がありますが、アルミニウム 合金ごうきん やマグネシウム 合金ごうきん が水に れると 水素すいそ が発生します。 この 水素すいそ の発生を 放置ほうち すると、 水素爆発すいそばくはつおそ れがありますので 厳重げんじゅう な注意が必要となります。 そのためにガス き等の 対策たいさく必須ひっすう となり、必要に応じて、 爆発放散口ばくはつほうさんぐち逆止弁ぎゃくしべん自動消火装置じどうしょうかそうち防爆型電動機ぼうばくがたでんどうき酸素濃度制御さんそのうどせいぎょ静電気除去等せいでんきじょきょとう設置せつび すべきです。  湿式しっしき集塵機しゅうじんき は、 高価こうか で手も かか るけれど安心だと思っている方が 随分ずいぶん おられますが、 高価こうか な理由は、これらの 機構きこう網羅もうら する必要があるからです。

まとめ

日本やアメリカの例からも解るように、 人命じんめい に関わるような 爆発ばくはつ は、 周囲しゅうい への 粉塵堆積ふんじんたいせき から発生しているという点が 重要じゅうよう です。大きな 粉塵爆発ふんじんばくはつ けるためには、まず、 清掃せいそう重要じゅうよう です。 また、バリ取り機の中の 残留粉塵ざんりゅうふんじん から けむり が出たという 事例じれい がありますが、これもバリ取り 機内きない清掃せいそう を行っていなかった事が原因です。 これは 勿論もちろん説明書等々せつめいしょとうとう にも 明記めいき してある事です。 さらに、アルミニウム 合金ごうきん粉塵爆発ふんじんばくはつ には注意が必要で、他の金属とアルミが混ざらないようにする事も 重要じゅうよう です。
集塵機しゅうじんき清掃せいそう何カ月なんかげつ も行っていないというのは きわ めて 危険きけん ですが、そのような 状態じょうたい の工場が 結構多けっこうおお い事には おどろ かされます。



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