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板金屋ばんきんや さんとめっき屋さん その2

めっきという言葉について

「めっき」はかなり古い時代から使われている 日本語にほんご で、 漢字かんじ では「 滅金めっき 」や「 鍍金めっき 」と書きます。 国で定めた 常用漢字表じょうようかんじ は「金」に「き」という読みを みと めていませんし、「鍍」はそもそも 常用漢字表じょうようかんじ にありません。 ですから「めっき」もしくは「メッキ」と書くのが正しいものと思われます。

また、英語では Plating(プレーティング)と言います。 めっきは 外来語がいらいご ではないので、カタカナ 表記ひょうき するのは 不適切ふてきせつ 。なので「めっき」とひらがなで 表記ひょうき すべきであると思われます。

ところで “ かなり古い時代から ” と述べましたが、今のところ、 日本最古にほんさいこ のめっきは、第26 代継体天皇だいけいたいてんのうころ 、つまり1400 年以上前ねんいじょうまえ に使われていた、金、銀めっきです。  福井県ふくいけん二本松山古墳にほんまつやまこふん副葬物ふくそうひん に、金めっきと銀めっきの ふた つの かんむり出土しゅつど しています。 この 二本松山古墳にほんまつやまこふんかんむり は、 日本列島にほんれっとう出土しゅつど している かんむり のなかでは 最古さいこ のものです。

これは 筆者ひっしゃ の考えですが、日本では、きっともっと古い時代からめっきはあったと思います。 というのは、 継体天皇けいたいてんのうころ には すで に、美しいめっきが使われていますし、ここまでの 技術ぎじゅつ を得るためには、 相応そうおう時間じかん が必要だったはず。  時代は新しくなりますが、 奈良なら大仏だいぶつ (754年)も今は っ黒ですが、作った 当初とうしょ は、 全体ぜんたい が金めっきでピカピカでした。  奈良なら大仏だいぶつ は、 世界一せかいいち のデカさですから、 日本は、かなり昔からめっき 技術ぎじゅつ にも すご技術ぎじゅつ を持っていた事になります。 きっと 奈良なら大仏だいぶつ時点じてんすで にめっきの長い歴史があったはずです。

日本では、 古事記こじき が作成されたのが 第40 代天武天皇だいてんむてんのうころ で、このあたりから、 漢字かんじ が入ってきています。  第26 代継体天皇だいけいたいてんのうころすで にめっきがあったという 事は、そのずっと前から「めっき」という言葉と 技術ぎじゅつ があった 可能性かのうせい が高い。  漢字かんじ が入って来たものの、「滅金めっき 」や「 鍍金めっき 」といった、今から考えると、できそこないの て字になってしまったのではないでしょうか?

たとえば、今では天皇と書いて“てんのう”と 読みますが、 鎌倉時代かまくらじだい あたりまでは、天皇と書いて“すめらぎ”と読んでいました。 これが、 発音的はつおんてき にも 完全かんぜん て字だったという点が 重要じゅうよう です。  何故なぜ そうなったのかと言うと、“すめらぎ”と言う言葉が 何千年なんぜんねん も前からあって、この“すめらぎ”という 名詞めいし に後で入って来た 漢字かんじ でを てて『 天皇すめらぎ 』と書くようになったのですが、後に、 大陸文化たいりくぶんか影響えいきょう で、これを“てんのう”と読むようになりました。

これと同じだとすると「めっき」という言葉は、“すめらぎ”と同じくらい古くてもおかしくありません。 そう考えると、2600 年以上太古ねんいじょうたいこ から、めっき 技術ぎじゅつ は日本に 存在そんざい した 可能性かのうせい だってあります。  今後こんご縄文遺跡じょうもんいせき発掘調査はっくつちょうさ が楽しみです。

話は、 脇道わきみち れましたが、何が言いたいのかと言うと、めっきをカタカナなどで書くのは、もっての外!日本人 なら、プライドを持って、ひらがなで書くべきであるという事です。

めっき屋さんの問題点

日本のめっき屋さん 同士どうし には、 技術的ぎじゅつてき上下関係じょうげかんけい のようなものがあります。 というのは、めっき 技術ぎじゅつ に関して くわ しい人が特に少ないのです。 めっき 技術ぎじゅつくわ しい人は、 大体だいたい がめっき屋の 社長しゃちょう さんで、これを 専門的せんもんてき に教えている 大学だいがく も、ほぼありません。 同じような事が、 塗装屋とそうや さんにも言えるのですが、めっき 技術ぎじゅつ には、 塗装技術以上とそうぎじゅついじょう独特どくとくむつか しさがあるようです。

例えば、めっきの 不具合対策ふぐあいたいさく に関する 技術資料ぎじゅつしりょう を見ると、もの すご く沢山の 影響因子えいきょういんし がある事に おどろ かされます。 また、めっき 技術ぎじゅつ には、 化学ばけがく知識ちしき と電気の 知識ちしき両方りょうほう が必要となるわけですが、 理科系りかけい の中でも、 工業化学こうぎょうかがくまな んだ人は少なく、 両方りょうほう をきちんと 理解りかい している人が、ほとんどいないのです。

めっき屋としての 長年ながねん経験けいけん体系的たいけいてきかた れる人は、日本には 数名すうめい しかおられません。 そういった 少人数しょうにんずう が“めっきの 神様かみさま ”と呼ばれていて、例えば 神奈川県かながわけん では2〜3人しかいないのだそうです。

めっき屋さんの中には、 理屈りくつ は解らず、 自動機じどうき などを買って大量の仕事を引き受けている 会社もあります。 そのような会社の場合 、 不具合ふぐあい が起こった時には、その原因が全く解らないという事が 頻繁ひんぱん に起こります。

不具合ふぐあい が発生した時、よくある 会話かいわ は、
  “これまでと同じ、やりかたなのでこちらに 問題もんだい は無い”
  “ 与えられた 金属製品きんぞくせいひん材料ざいりょう材質ざいしつ が変わったのだろう”
といったパターンです。

そういっためっき屋さんの事を、よく勉強されているめっき屋さんは“ るし屋”と呼んでいます。

今や、 理屈りくつ がよく解っていなかっためっき屋さんも“これではいけない”と考えるようになり、 同業他社どうぎょうたしゃ の“めっきの 神様かみさま ”に、何かと 相談そうだん する事が増えてきました。 なので、めっき屋さん 同士どうし というのは、 なか が良い事が多いのです。

他の 業界ぎょうかいくら べて、めっき屋さんの業界ぎょうかい が、そんなノンビリした 様子ようす でも 商売しょうばい になるのには 理由があります。 それは、めっき加工を行う場合、発生する 排水はいすい処理しょり が必要となる点です。 日本の 法例ほうれい を守る場合、新しく、めっき屋さんを作る事はかなり むつか しい面があります。  新設工場しんせつこうじょう からの 排水はいすい は、飲んでも 大丈夫だいじょうぶ程綺麗ほどきれい な水しか流せなくなっていて、昔からある、めっき屋さんが 商売しょうばい めると、その地方でめっき屋さんが1件もいなくなってしまう事もあるのです。

そんな 状況じょうきょう の中、 板金屋ばんきんや さんは、めっき 技術ぎじゅつ に関する 知識ちしき不足ふそく した場合は、めっき屋さんの言いなりになるしかない事もあります。

板金屋ばんきんや さんは、 複数ふくすう のめっき屋さんと 取引とりひき を行い、言いなりになる事から 回避かいひ したいと思っているのだけれど、めっき屋さんが少なくなってきているので、“ となりけん のめっき屋さんと 取引とりひき するしかない”といった話をよく耳にします。

ものづくりをやっている会社の中でもめっき屋さんというのは 独特どくとく環境かんきょう にあるわけです。




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