AuDeBu 総合情報ページ


改善かいぜん ブームは去ったのか?

昭和末期に、全国のものづくり企業では、 トヨタのカンバン方式に なら い、 改善活動かいぜんかつどう ブームというのがありました。 

社員は、毎週1件以上の 改善提案かいぜんていあん を行い 大きな 改善かいぜん ネタを探してきた社員は 表彰ひょうしょう されるというものでした。  例えば、 こんな り紙をするとポカが無くなるとか、 2つずつ一度に組み立てると効率が良いとかです。  こういった 改善活動かいぜんかつどう は、 最近は、めっきり減ってしまったように思います。  話を聞くと “ あの時に、 改善かいぜん はやり くしてしまったので ” という答えが返ってきます。  それって、本当なのでしょうか?

生産管理に詳しい方は、全員“ それは違う ”と言うでしょう。  仕事のパターンは変化しているし、 細かい 改善かいぜん ネタは、いくらでもあるはず。  ISOを取った企業ならば、 改善活動かいぜんかつどう と同じ内容である PDCAピディシーエー サイクルを繰り返さねばならないはずなのに、 それも 出尽でつ くしたというのは変です。 

板金工場を見ると、 一見して、改善されているようには思えないシーンが多く見受けられます。  汚い工場で、例えばバリ取りにサンダーを使っている事も多く、 “何で、こんな危ない事を 改善かいぜん しないの?”といつも思います。

もしも、 改善活動かいぜんかつどう ブームが、ずっと続いていたら、 日本の多くの板金工場は、今のような状況ではなかったと思います。  ISOアイ・エス・オー も “おためごかし” で 改善活動かいぜんかつどう を引き継ぐことができていない事が多い。  多くの板金屋さんで、 改善活動かいぜんかつどう ブームが ってしまった理由は、 原価意識げんかいしき が育たなかったからではないでしょうか?

大企業で行っていた、 改善活動かいぜんかつどう では、 この 改善かいぜん で、会社の 人件費等じんけんひなど が幾ら少なくなるかを 提案者ていあんしゃ が計算して、 改善提案かいぜんていあん を行うのが普通でした。  バブル 崩壊ほうかい の時に、日本の多くの大企業は ものづくりをやめてしまいましたが、 その時、大企業では、かなりのレベルに達していた、 改善活動かいぜんかつどう が、この時点では、まだ 下請したうけ け企業には、普及しておらず、 改善活動かいぜんかつどう が消化できないまま、今に至っています。  筆者の感触では、 家電業界かでんぎょうかい では、特に、この 傾向けいこう が強いように思います。

中小企業の社員の皆さんの場合は、ローディング等の考え方が知らされていません。  そのために、原価意識げんかいしき が低く、 改善かいぜん しても、 ただ“思いついた”というだけで、 削減金額さくげんきんがく が解らないので、 迫力はくりょく や面白さに欠けます。

原価げんか という 概念がいねん を社員が持てば、 改善活動かいぜんかつどう守備範囲しゅびはんい は、何倍にも増えます。  例えば、前に記した 小物のバリ取り方法 は、 本来は、 改善活動かいぜんかつどう の中で生まれてくるはずのものですが、 実際は、中小企業の 工場管理者自身こうじょうかんりしゃじしん が、 色々な両面テープを買ってきて、実験を重ねた事によって生まれたものでした。

社員にとっては、作業が早く終わろうと、時間が掛かろうと関係は無く、 改善されても、されなくても給料は同じだと考えてしまうのでしょう。 

改善かいぜん を要求するのは、管理者の 横暴おうぼう だ!
給料を上げてくれるのだったら、頭を使って仕事をしても良いですよ

社員の皆が、こういった考えになってしまっている可能性があります。

改善かいぜん なんかしたって もう からない

と言われる かた も多いのですが、そういった方は、 改善かいぜんPDCAピーディーシーエー についての情報が不足しておられます。  例えば、20人規模の板金屋さんで、 真剣に 改善かいぜん に取り組めば、年間で500万円以上の 経費削減けいひさくげん ネタが、 何件も出て来て、例えば在庫品や 仕掛品しかかりひん が激減し、 工場が 綺麗きれい になって、社員の残業も減ります。  企業成績が良くなって、 銀行が 借入金しゃくにゅうきん金利きんり を下げてくれるようになる事もあります。

本当は、 日本人の平均的な知識レベルは高いので、 改善かいぜん の面白さを楽しむ事ができるはずです。  そのためのキーワードが、 原価意識げんかいしき を持たせる事なのですが、 自分達のローディングが いく らなのかを知らされていなければ、 社員に 原価意識げんかいしき が生まれるわけがありません。

日本の工場において、 改善活動かいぜんかつどう が無くなってしまうという事は、 ものづくりに たずさ わる人たちが、 創意工夫そういくふう をしなくなるという事であり、 工場から、新しい ものづくりの方法が 発案はつあん されなくなるという事です。  これでは、日本のものづくりはジ・エンドとなってしまいます。

あなたの会社のローディングは いく らですか?  この問いに 即答そくとう できない板金屋さんの将来は きび しいものと思われます。

原価意識げんかいしき を持つという事は、 ものづくりに たずさ わる人たちが、 創意工夫そういくふう をするために、 必ず必要な極めて重要な 尺度しゃくど です。 




次ページは ローディングの決め方 です。




バリ取りレスキュー隊

バリ取りレスキュー隊にMailを送る