AuDeBu 総合情報ページ


四酸化三鉄しさんか さんてつ溶接ようせつ せい関係かんけい

金属製品きんぞくせいひんはし の部分は、 後工程あとこうてい溶接ようせつ が行われる場合もあります。 この時に、 溶接ようせつ 技術者ぎじゅつしゃ の方は、大きな 手間てま けて、 四酸化三鉄しさんか さんてつ除去じょきょ します。 ヤスリ/グラインダー/金ブラシを使って、黒い 四酸化三鉄しさんか さんてつ を全て 除去じょきょ してからでないと、まともな 溶接ようせつ が出来ない事を知っておられるからです。

もしも、 溶接部位ようせつぶい四酸化三鉄しさんか さんてつ があると下記のような事が発生してしまいます。

 1. 四酸化三鉄しさんか さんてつ が含まれる 部位ぶい にはアークが 一切飛いっさいと ばない
  四酸化三鉄しさんか さんてつ基本的きほんてき に電気を通しません。
   電気を通す鉄の部分とは、 大きな 電位差でんいさ が発生します。
  アークは 四酸化三鉄しさんか さんてつ けて発生しますので、 真直まっす ぐに 溶接ようせつ ビードを置く事もできません。


 2. ブローホールが発生する
   四酸化三鉄しさんか さんてつ は、 溶接ようせつ によって 高温化こうおんか すると 酸素さんそ ガスが発生します。
   溶融池ようゆうち の中で、このガスが 気泡きほう となり、
  そのまま 固体化こたいか すると、ブローホールという 溶接欠陥ようせつけっかん となります。


 3. スラグの き込みが発生する
   気化きか しなかった 四酸化三鉄しさんか さんてつ は、 余分よぶん析出物せきしつぶつ普通ふつう は黒い つぶ )となり、
   溶接ようせつ ビードの 表面ひょうめん にも あらわ れます。 この部分は、 きわ めて もろ状態じょうたい となります。


もう、 溶接ようせつ としては 無茶苦茶むちゃくちゃ状態じょうたい になってしまいますので 四酸化三鉄しさんか さんてつ溶接ようせつ完全かんぜんてき であって、 四酸化三鉄しさんか さんてつ確実かくじつ除去じょきょ する事は、 溶接技術者ようせつぎじゅつしゃ の最も 重要じゅうよう な仕事と言っても 過言かごん ではありません。

  頑固がんこ四酸化三鉄しさんか さんてつ

溶断部ようだんぶ付着ふちゃく した 四酸化三鉄しさんか さんてつ は鉄よりも かた く、 鉄 との 間 には、 三酸化二鉄さんさんか にてつ酸化鉄さんかてつ など、 中間的ちゅうかんてき物質ぶっしつ存在そんざい します。 これを 取る方法は、 強固きょうこ なブラシやハンドグラインダーで 研磨けんま する他はありません。

しかし、この 作業さぎょう 、 誰しもがやりたくない 作業さぎょう と言えるでしょう。  溶断部分ようだんぶぶん には、ドロスと呼ばれる 鋭利えいり のようなものが 付着ふちゃく している場合もあります。  ふゆいえ軒先のきさき に発生するツララみたいな 感じですが、こちらは、 こおり では無く焼きの入った鉄で出来ていて 危険きけん です。

また、 通常つうじょう四酸化三鉄しさんか さんてつ が発生する 溶断部分ようだんぶぶん総量そうりょう莫大ばくだい な量で、 溶断部分ようだんぶぶん の全てという 事になります。  溶断自体ようだんじたい は、 普通ふつう自動機じどうき で行われるわけですが、 自動機じどうき が 仕事 をすればするほど、 人間にんげん危険きけん な仕事を沢山、行わねばならなくなります。

また、 研磨けんま を行うと細かな 粉塵ふんじん が発生します。 これが工場を よご し、 労働環境ろうどうかんきょう低下ていか させ、工場からクリーンなイメージを うば う事にもなります。

  四酸化三鉄しさんか さんてつ の発生しないレーザー 加工機かこうき

レーザー 切断せつだん を行う時には、 けた鉄などを き飛ばすために、 高圧こうあつ ガスを き付けます。 このガスとして、 頻繁ひんぱん に使用されるのが 酸素さんそ ガスです。 酸素さんそ ガスを使うと、 燃焼ねんしょう によってレーザー 切断能力せつだんのうりょく がパワーアップするというメリットもあります。  酸素さんそ ガスを使う事で、それ 以外いがい のガスを使う場合と 比較ひかく して 何倍なんばい もの あつ さの板を 切断せつだん する事が可能になります。  反面はんめん酸素さんそ ガスを使うと 切断面せつだんめん酸化物さんかぶつ付着ふちゃく します。この 代表だいひょう四酸化三鉄しさんか さんてつ です。

という事は、それほどのレーザー 切断能力せつだん が必要ない場合は、 酸素さんそ ガス 以外いがい のガスを使用 する事で、 四酸化三鉄しさんか さんてつ が発生しない 切断せつだん も可能だという事になります。  最近さいきん は、 窒素ちっそ ガスを用いる事で、 四酸化三鉄しさんか さんてつ が発生しない 切断せつだん を行っている工場もあるようですが、ランニングコストの 問題もんだい や、 窒化ちっか と言って、 表面ひょうめんかた くなるという 問題もんだい があると聞いています。

 なぜ、 四酸化三鉄しさんか さんてつ は電気を通さないのか?

その理由を 一言ひとこと で言うと、 酸化さんか によって 自由電子じゆうでんし が無くなったからです。

四酸化三鉄しさんか さんてつ は、 通電性つうでんせい非通電性ひつうでんせい かと 学者がくしゃ さんに聞くと、“ 通電性つうでんせい です”という答えが かえ って来るでしょう。  学者がくしゃ さんは、鉄の1/600 ほど は電気を通すために 通電性つうでんせい だと言います。 しかし、 筆者ひっしゃ に言わせれば、 四酸化三鉄しさんか さんてつ は“ 非通電性ひつうでんせい ”です。 1/600など、 通さないのと同じで、 現実的げんじつてき には電気を通さない他の 物体ぶったい と同じように 作用さよう する事の方が多いからです。 まず、ここのところで 混乱こんらん しないようにして頂きたく思います。

そもそも、 基本的きほんてき に金属は電気を通します。 金属は 金属結合きんぞくけつごう で出来ていて、 金属結合きんぞくけつごう には 自由電子じゆうでんし存在そんざい します、 自由電子じゆうでんし存在そんざい すると、こいつによって 電気を伝える事が出来るようになります。 金属にキラキラと 光沢こうたく があるのは、 自由電子じゆうでんし が光を 乱反射らんはんしゃ するからです。 

四酸化三鉄しさんか さんてつ には、 基本的きほんてき自由電子じゆうでんし存在そんざい しません。  自由電子じゆうでんし酸素さんそ と結びついて無くなってしまっています。 そのために 光沢こうたく が無くなり黒い色になっています。 

逆の言い方をしますと、 四酸化三鉄しさんか さんてつ が黒いという事は、 自由電子じゆうでんし が無い 状態じょうたい人間にんげん の目で確認できたという事です。 黒い 四酸化三鉄しさんか さんてつ には、 電子でんし媒介ばいかい する 自由電子じゆうでんし が無いので電気を通しません。  四酸化三鉄しさんか さんてつ のみならず、 酸化さんか した金属は、電気を通しません。

  溶接技術ようせつぎじゅつ信頼性しんらいせい について

上記のような内容を述べると、 溶接ようせつ というのは 信頼しんらい できない 工法こうほう であると思われる 可能性かのうせい があります。  一般いっぱん に、 板金工場ばんきんこうじょう などでは、 溶接ようせつ条件管理じょうけんかんりむつか しい事が多いのです。 特に、 溶接ようせつ を行う 作業員さぎょういん専門知識せんもんちしき不足ふそく している事によって、 溶接不良ようせつふりょう が発生したのにも関わらず、 溶接技術ようせつぎじゅつ そのものが使えない 技術ぎじゅつ であるという 発言はつげん をよく耳にします。

たし かに、 溶接時ようせつじ に発生する 熱歪ねつひずみ問題もんだい など、 製品精度せいひんせいど影響えいきょうおよ ぼし、 解決かいけつむつか しい 問題もんだい もありますが、多くの場合、 改善かいぜん すべきは 知識不足ちしきぶそく です。

筆者ひっしゃ は、 中小零細ちゅうしょうれいさい金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょう訪問ほうもん すると必ず、“これまでの 不況ふきょう を乗り えてこられた 秘訣ひけつ は何ですか?”と 質問しつもん する事にしています。

金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょう の数は、 過去かこ 30 年間ねんかん で、 半数はんすう ってしまいました。  金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょう にとって、バブル 崩壊ほうかい平成不況へいせいふきょう 、リーマンショックと続いた 不況ふきょう を乗り える事は 至難の業しなんのわざ だったのです。 それを、乗り えて来た 企業きぎょう には、乗り える事が 出来た 明確めいかく な理由 があって、それを 聞き出す事は、その 企業きぎょう最大さいだい特徴とくちょう を聞き出す事となるからです。 

そんな中で、実に 半数はんすう金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょう は“ 面倒めんどう で人が いや がる 溶接技術ようせつぎじゅつ に取り組んだからだ”と答えるのです。  溶接ようせつ が上手な 金属製品製造業きんぞくせいひんせいぞうぎょう になる事が、 不況ふきょう を乗り えるテクニックであった 事は 間違まちがい いありません。

これを言い えると、 溶接技術ようせつぎじゅつむつか しい 技術ぎじゅつ だから使えないと考えて 精進しょうじん しなかった 企業きぎょう は無くなってしまい、皆が むつか しいと 考える 溶接技術ようせつぎじゅつ挑戦ちょうせん した 企業きぎょう ち残ったという事になります。

しっかりと 溶接技術ようせつぎじゅつ を勉強した多くの 企業きぎょう が、バブル 崩壊ほうかい平成不況へいせいふきょう 、リーマンショックと続いた 不況ふきょう を乗り えて来たという 事実じじつ に、もっと 注目ちゅうもく すべきでしょう。

溶接技術ようせつぎじゅつ は、 多方面たほうめん科学技術かがくぎじゅつ知識ちしき が必要です。  象徴的しょうちょうてき な 例が、 電気工学でんきこうがく知識ちしき げられます。  E=IRイー・イコール・アイ・アール が解っていないような 状態じょうたい でアーク 放電ほうでん管理かんりむつか しい。 数の意味が解っていない 状態じょうたい で、 ざん を 行 うようなものです。 これを 無視むし して、 溶接ようせつ にトライしてもアークの 管理かんり が出来ず、 確実かくじつ溶接不良ようせつふりょう に結び付きます。

無論むろん安定あんてい したアークを 発生 させるためには 周囲しゅうい環境管理かんきょうかんり が必要です。 例えば、アーク 発生位置はっせいいち周辺しゅうへん存在そんざい する金属の 体積たいせき がアンバランスであるだけでも、 溶接不良ようせつふりょう は発生し易くなります。   溶接位置ようせついち右側みぎがわ に大きな金属があって、 ひだり には何も無かったら、たったそれだけの事でアークは みぎかたむ くのです。 この 理屈りくつ が解っていないと、 溶接不良ようせつふりょう が発生して 改善かいぜん しようとしても 発生原因はっせいげんいん が解らなくなってしまいます。

一連いちれん溶接技術ようせつぎじゅつ は、 昭和しょうわ 30 年代ねんだい 〜40 年代ねんだい完成かんせい されていて、 溶接技術ようせつぎじゅつ信頼出来しんらいでき ない 技術ぎじゅつ だと言う 発言はつげん などは、 科学技術かがくぎじゅつ として 間違まちがい った 発言はつげん です。  一般いっぱん信頼出来しんらいでき ないのは 生産現場せいさんげんば知識ちしき です。

  溶接ようせつ ばな問題もんだい

過去かこ 50年の間 、 溶接技術ようせつぎじゅつ信頼性しんらいせいとぼ しいと思われていた事によって、 溶接工法ようせつこうほう を用いず、 塑性加工そせいかこう機械加工きかいかこう を行う事で 不具合対策ふぐあいたいさく を行った 事例じれい数知かずし れず 存在そんざい しました。 しかし、本当は、 不勉強ふべんきょう人達ひとたち誤解ごかい誤解ごかいかさ ねて、 溶接技術ようせつぎじゅつよご してしまったのです。  筆者ひっしゃ は、 溶接技術ようせつぎじゅつ を勉強している 人達ひとたち が少し 可哀かわい そうだと思っています。 

溶接技術ようせつぎじゅつ は、他の 技術ぎじゅつ では置き える事が出来ない 技術ぎじゅつ であり、 条件管理じょうけんかんり がしっかり 出来 れば、100%の 再現性さいげんせい を持つ 確立かくりつ された 加工技術かこうぎじゅつ です。

溶接技術ようせつぎじゅつ が高まる事は、日本の 工業技術こうぎょうぎじゅつ発展はってん するという事に 直接繋ちょくせつつな がります。  例えば、 防衛関連ぼうえいかんれん技術ぎじゅつ最適/最新/最高さいてき/さいしん/さいこう溶接技術ようせつぎじゅつ応用おうよう する事が出来れば、 軽量けいりょう / 小型化こがたか確実かくじつ拍車はくしゃかか ります。  防衛関連ぼうえいかんれん技術ぎじゅつ善悪問題ぜんあくもんだい はさておき、 戦闘機せんとうき速度そくど航続距離こうぞくきょり びますし、ミサイルの 射程距離しゃていきょり びます。  勿論もちろん民間技術みんかんぎじゅつ は、 防衛関連ぼうえいかんれん技術ぎじゅつ多大ただい影響えいきょう を受け 発展はってん するわけです。  具体的ぐたいてき に言うと、 最適/最新/最高さいてき/さいしん/さいこう溶接技術ようせつぎじゅつ応用おうよう する事が出来れば、あなたの持っているスマホの 重量じゅうりょうさら半分はんぶん にしたり うす さを 半分はんぶん にすることだって出来ます。

各種かくしゅ のエネルギー 問題もんだい だって、 機械製品きかいせいひん重量じゅうりょう依存いぞん しています。  溶接技術ようせつぎじゅつ によって 軽量けいりょう / 小型化こがたか が進むと、 しょう エネも 画期的かっきてき に進む事になるのです。

溶接技術ようせつぎじゅつ は、もの すご く、 ゆめ のある 技術ぎじゅつ です。 しかし、それに はん して、 溶接技術ようせつぎじゅつ はダメな 技術ぎじゅつ だと思っている人が 多過おおす ぎます。 この部分に、もう少し力を そそ ぐ事が出来れば、日本の 工業技術こうぎょうぎじゅつ は、もっと 発展はってん するはずです。  溶接技術ようせつぎじゅつ は、ただの生き残り 戦略せんりゃく のための 技術ぎじゅつ では無く、その 工業的こうぎょうてき価値かち が高いので、 不況下ふきょうか においても、 すぐ れた 工業製品こうぎょうせいひん を作ろうとした時 、 絶対ぜったい に必要な 技術ぎじゅつ だったのです。 そのために、 中小零細企業ちゅうしょうれいさいきぎょう が生き残り 戦略せんりゃく として使う事が出来たのです。




次ページは  金属製品きんぞくせいひん洗浄せんじょう 1 です。



バリ取りレスキュー隊

バリ取りレスキュー隊にMailを送る