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板金専門用語ばんきんせんもうようご の 問題点

日本の 板金屋ばんきんや さんにおいて 日常的にちじょうてき に使われている加工に関する 専門用語せんもんようご には、多くの 方言ほうげん があります。

板金以外ばんきんいがい分野ぶんや を見ると、電気や 建築土木けんちくどぼく分野ぶんや では、 方言ほうげんきわ めて少ないという 現実げんじつ があります。 例えば、 電気分野でんきぶんや では、 電気技師でんきぎし などの 免許めんきょ を取ろうとする人が多いので、誰しもが 専門分野せんもんぶんや の本を読んで勉強をしています。 そのために、 全国共通ぜんこくきょうつう専門用語せんもんようご を使っているからです。 建築土木けんちくどぼく分野ぶんや は、 工事こうじ を行う前に 種々しゅじゅ の計算や役所への 申請しんせい を行う 関係かんけい で、きちんと勉強している人がいないと、仕事にならないという面があります。

板金ばんきん に近い 機械分野きかいぶんや においても、その 中心ちゅうしん である 自動車分野じどうしゃぶんや技術ぎじゅつ レベルが きわ めて高度で、 国際競争こくさいきょうそうはげ しい事から、 理論派りろんは の人が多くおられます。

ところが、 板金ばんきん精密板金せいみつばんきん分野ぶんや では、 中小零細企業ちゅうしょうれいさいきぎょう が多く、本の数も少なく、 技術的ぎじゅつてき な 内容 を ささ える 親方的おやかたてき な方が しゃべ っている 専門用語せんもんようご がそのまま、 歴代れきだい作業者さぎょうしゃ の方に伝えられ、どう考えても 間違まちがい っている 用語ようご横行おうこう しています。

文献ぶんけん を見る限りでは英語 けん やドイツ けん板金屋ばんきんや さんにおいては、日本のような 方言地獄ほうげんじごく はないように思われますので、そこのところが、日本の 板金屋ばんきんや さんがレベルアップするには大切な部分のではないかと思います。

以下には、 板金業界ばんきんぎょうかい でよく 間違まちがい って使われる 用語ようご の例を述べたいと思います。

張出はりだ しと しぼ

タレパンの 金型かながた には 成形型せいけいがた というジャ ンルがあって、 通常つうじょう のせん 断加工以外だんかこういがい の加工も出来るようになっています。  成形型せいけいがた の中には、板の 一部いちぶ を“おっぱい”のような形に、 ふく らませるためのものが 販売はんばい されています。 

こういった 成形せいけい の事を、 板金屋ばんきんや さんは、ほぼ 例外れいがい なく “ しぼ成形せいけい ” と呼んでいます。 ところが、 本来ほんらい 、プレス 技術用語ぎじゅつようご の “ しぼ成形せいけい ” は、ビール かん などに 代表だいひょう され、 成形せいけい によって 板厚いたあつ が元の 板厚いたあつ より あつ くなる部分がある 成形せいけい の事を言います。 ビール かん は、 最終的さいしゅうてき均一きんいつ板厚いたあつ にはなっていますが、その 製造途中せいぞうとちゅう には、 開口かいこう 側が、 何倍なんばい もの 板厚いたあつ になっていて、その部分を “ しごき加工 ” によって 均一きんいつあつ みに 成形せいけい し直してから かん が作られています。

板金屋ばんきんや さんで行われている板の 一部いちぶふく らませる加工には、板は うす くなる 一方いっぽう の加工であり、この加工は “ 張出はりだ成形せいけい ” と呼ぶのが正しいのです。

大きなプレスを持っている 板金屋ばんきんや さんを のぞ き、 一般的いっぱんてき板金屋ばんきんや さんでは“ しぼ成形せいけい ”は行われていません。

かしめと 圧入あつにゅう

板 にリベットを取り付ける時の工法こうほう は “ かしめ ” です。 かしめない、かしめます、かしめるとき、かしめろ、かしめれば、という 五段活用ごだんかつよう動詞どうし として使われます。 そして英語では、 Caulkingコーキング と言います。  加工技術かこうぎじゅつ としては、 鍛造加工たんぞうかこう一種いっしゅ で、ヘッデングに 分類ぶんるい されています。 

“ かしめ ”の場合は、リベットが 変形へんけい しますが、 昨今さっこん一見いっけん “ かしめ ” に た、板にねじを取り付ける 工法こうほう普及ふきゅう してきました。  ただ し、その 工法こうほう はねじ側は 変形へんけい せず、 板側いたがわ変形へんけい してねじ側に い込んでねじが板に 固定こてい されるのです。 この 技術ぎじゅつ圧入技術あつにゅうぎじゅつ と言うのですが、 普及率ふきゅうりつ急激きゅうげき に高まって来ていて、ご 家庭かてい薄型うすがた テレビには、 何十個なんじゅっこ何百個なんびゃっこ という、 圧入あつにゅう ねじが 使 われています。  圧入あつにゅう の事を英語では insertionインサーション と言っていて、世界の 板金屋ばんきんや さんは、 先程さきほどCaulkingコーキング とは違うものだという 意識いしき を持っています。

これに対して、日本の 板金屋ばんきんや さんは、 insertionインサーションCaulkingコーキング混同こんどう していて、 両方りょうほう とも “ かしめ ” という言葉で 表現ひょうげん しています。

この2つの 技術ぎじゅつ は大きく こと なっていて、 混同こんどう する事によって、 不具合ふぐあい続出ぞくしゅつ する事もあるのですが、 用語ようご混同こんどう している事により、 自分達じぶんたち で2つの 技術ぎじゅつ の差をネットなどで 調しら べて 問題解決もんだいかいけつ する事ができない 状態じょうたい です。

ボトミングとコイニング

過去かこ に、あるプレスブレーキのメーカーが 勘違かんちが いしてプレスブレーキを 販売はんばい していた事が原因です。 そのメーカーは、 すぐ れたプレスブレーキを生産していましたが、曲げの 加圧力かあつりょく にボトミングというのは無く、これをコイニングと言うのだと 誤解ごかい していました。

実際じっさい は、曲げの 加圧力かあつりょく には3つあって、 加圧力かあつりょく の小さい じゅん だと、エアーベンド(パーシャ ルベンド)、ボトミング、コイニングという 事になり、これは 世界中せかいじゅう板金加工技術ばんきんかこうぎじゅつ常識じょうしき です。 今でも、そのメーカーのプレスブレーキのNC 装置そうち は、 勘違かんちが いをしたままの 表記ひょうき になっていて、 今でも本当はボトミングと言うべきところを、コイニングと言っている 板金屋ばんきんや さんは沢山おられます。

形材 の読み方

家庭かてい窓枠まどわく などに使われているアルミサッシなどの事を、 形材 と書きます。 しかし、この 形材 に関しては読み方が 確定かくてい していません。 日本工業会にほんこうぎょうかい の中で、 形材 の読みは、かたざい、かたちざい、けいざい の3つに3分されています。 一度いちど塑性加工学会そせいかこうがっかい の中でも 大御所おおごしょ先生方せんせいがた順番じゅんばん に聞いてみた事があるのですが、 先生方せんせいがた の間でも 見事みごと に3分されてしまいました。  現段階げんだんかい決着けっちゃく がついていないものと思われますが、こんな事、あって良いはずがないと思うのは 筆者ひっしゃ だけでしょうか?


これらの例は、 代表例だいひょうれい に過ぎず、同じような事が他にもいくらでもあります。  専門用語せんもんようご に多くの 方言ほうげん がある事による 弊害へいがい は下記です。

@  板金屋ばんきんや さんがネットで 板金技術ばんきんぎじゅつ検索けんさく できない。
A  数少かずすくな ない 板金関係ばんきんかんけい専門書せんもんしょ を読む事ができない。
B  学者がくしゃ さんとは話が通じない。

板金以外ばんきんいがい分野ぶんや の方から見れば、この事は、 すご くビックリされる内容のはず。
 “ありえねぇ〜
 “それだと 全然ぜんぜん技術ぎじゅつ進歩しんぽ しねぇ〜じゃん
と言われても、全く申し開きは出来ない 状態じょうたい です。

言葉が通じない原因のほとんどは、 自分達じぶんたち勉強不足べんきょうぶそく なのですが、

 “ 学者がくしゃ なんか 全然役ぜんぜんやく に 立 たない
 “ 板金関係ばんきんかんけい雑誌ざっし や本なんか読んでも役に立たない

といった こえ が聞こえて来る事も多いのです。
この 問題もんだい は、 将来しょうらい の日本の 板金業界ばんきんぎょうかい明暗めいあん を分ける 問題もんだい だと思われますが、 残念ざんねん ながら良い 解決方法かいけつほうほう が見つかりません。 ですが、 筆者ひっしゃ なりの 努力どりょく として、このホームページには、出来る限り沢山のルビを つようにしました。 この 作業さぎょう非常ひじょう面倒めんどう なのですが、それでもルビを つ理由は、出来る限り沢山の 板金屋ばんきんや さんにこのホームページを見て頂きたいと思ったからです。  筆者ひっしゃ の用いる 用語ようご表現ひょうげん が正しいと申し上げる 自信じしん は全くありません。 しかし、少しでも正しい 表現ひょうげん仕方しかた や読み方を覚えて頂く事により、日本の 板金業界ばんきんぎょうかい の皆さんの 利便性りべんせい につながれば、これに まさ る喜びはありません。




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